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「怪我や病気をしない」


ダンサーに限らず、一流のアスリートと言われる人は怪我や病気に無縁である。心の健康は本人に聞いてみないと分からないが、長きに渡り活躍出来るかどうかは、ひとえに身体が丈夫かどうかによるところが大きい。



スポーツ科学が発達した今日、目標を達成する為にはどの様なトレーニングを行い、何を食べ、どうメンテナンスすれば良いか、具体的な情報が身近に溢れていれる。今回は特に私の経験上、競技ダンサーとして怪我や病気無く、長く競技生活を続けていく為に必要な知識や約束事をいくつか紹介したい。



*食事のタイミング


太りたいのに、筋肉が付かない。ジムに行って筋トレしているのに体型が変わらない。など良く聞く言葉である。確かに正しい方法で筋トレをしなければ筋肉は付かないのだが、それよりも大切な事は食事のタイミングである。筋肉は激しい収縮を繰り返す事により、微細な傷を負う。そしてその傷を修復することで、徐々に筋肉は肥大していく。筋繊維の修復にはタンパク質を始め、様々な栄養素が必要になる。この栄養素を身体に吸収し易い形で、必ず30分以内に摂取すること。

傷ついた筋繊維が最も修復しようとするタイミングは30分以内なので、このタイミングで適切な栄養素を吸収してあげることで、身体は素早くリカバーの状態へと移行する。このタイミングを逃せば、筋肉痛は長引き、疲労物質が抜けにくくなり、果ては怪我のしやすい状態になってしまう。練習会で全力で踊り込んだ後など、必ず栄養素を補給する事をおすすめする。ないしはトレーニングの前や最中などにこまめにタンパク質を補給するのも有効な手段だと言える。



*ストレッチの是非


ストレッチの重要性について、改めて述べるまでも無いのだが、多くの人がストレッチの方法を勘違いしていると思う。ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチの2種類があり、マットなどの上でゆっくりと身体を伸ばしたりする静的ストレッチを練習前におこなっている姿をよく見かけるが、これは間違いである。運動は筋肉を収縮する事で発生するのだが、筋肉をゆっくりと伸展させる静的ストレッチを行った後では、急激な収縮はやり辛くなる。良かれと思って丁寧にストレッチしていることが、結果マイナスに作用してしまうのである。運動前、練習前は、身体中の血流を良くする為に、軽い動的ストレッチをオススメしたい。5つの首、つまり手首、足首、ネックをしっかりとほぐし、血流を良くし、体温をあげる。うっすらと汗をかく状態にまで持っていけたら、練習を始めると良い。ちょっとした意識の違いで練習の質は飛躍的に向上するはずだ。



*身体は食事で出来ている


人間の身体はおよそ3か月で、全ての細胞が入れ替わる。骨も筋肉も、3ヶ月前の自分を構成していた分子とは全く違う別の分子によって日々再構築されている。つまり、この3ヶ月間で食べた食事であなたは創られているということになる。贅沢をする必要はないが、自分にとって何が必要で、どんな食事を取るべきかということを真剣に考える必要がある。トレーナーや栄養管理士に聞いてみるのも良いし、きちんと調べれば大抵の答えはネット上に溢れている。サプリや栄養機能食品などはあくまでも補佐的なものであり、毎食の中で栄養バランスの取れた食事を毎日続けていくことが大切だと思う。






どんなに優れた才能があっても、どんなにルックスが良くても、健康で丈夫で無ければ、最終的に勝ち残ってはいけない。世界中を飛び回っているトップ選手達は、時差や環境の急激な変化の中で一年中タフに闘い続けている。世界にキャッチアップしていくにはまず、怪我や病気をしない生き方を身に付けてみてはどうだろう。

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御礼

謹啓 猛暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。 この度、7月 18 日に開催させて頂きました「2021 Kuwabara Summer Ball」において、多くの会員の方々より熱意が込められた暖かな ご協力を賜り有難うございました。 昨年より続いております新型コロナウイルス感染蔓延により、感染予防に最大限の注意を払いながらのイベン

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