一期一会「一年の締め括り」

一期一会 2021 5月「一年の締め括り」

現役時代は新年を迎えると正月気分もそこそこに、UK戦に向けてヨーロッパに旅立っていた。1月のUK選手権、5月のブラックプール、10月のロンドンインターの3ヶ月はもちろんの事、そこに更に5種目の世界選手権、ショーダンスの世界選手権が加わり、半年近く海外を飛び回っていた事になる。スーパージャパンカップのセグエの準備や、地方インター回り、統一全日本前の調整を含めると実質的に仕事をしている期間は1年のうち数ヶ月で、特に7、8月のサマーパーティーシーズンと、11、12月のクリスマスパーティーシーズンの4ヶ月で1年間の活動資金を稼いでいた。

私たちには毎年、一年の締め括りとしての恒例行事があり、そのパーティーが終わると、今年も1年よく踊ったなと実感したものだった。年の瀬も迫った12月26日、グランドプリンスホテル新高輪は飛天の間にておこなわれる「ケヅカテツオダンスアカデミー」のクリスマスパーティーである。そんな時期に”飛天の間”が丸一日空いていることが不思議で、一度お尋ねしたことがあったが、ちょうどクリスマスイベントと年越しのイベントの狭間で毎年空けてもらっているのだと仰っていた。鉄雄先生、千恵子先生はJCFの長なので、主にJCFの選手や役員がパーティーには参加しているのだが、私のような他団体の人間に対しても非常にアットホームで温かい雰囲気があり、引退をした今も、毎年楽しく参加させてもらっている。ここ数年はパートナーのいないソロ男子を集めた、メンズフォーメーションを所望され、天野先生と絡んでみたり、芝西先生とのデュエットをやってみたり、毎年何かしらの作品を持っていってはいつも喜んでもらっている。パーティーが終わった後は、飛天の横の控室で2次会が始まり、その後いつものカラオケボックスに雪崩れ込み、3次会という流れになる。鉄雄先生も千恵子先生も非常に気さくで、カラオケの苦手な私も楽しい時間を過ごさせてもらっていた。家路に着く頃にはとうに日付は変わっており、1年間の仕事が終わったことをようやく実感する。普段は団体も違うので滅多にお会いする事もないのだが、たまの機会にお会いすると、いつもダンスの話ばかりで、現役当時の思い出話や、面白いエピソードなど沢山聞かせて貰った。

先日、そんな鉄雄先生のまさかの訃報が届いた。人は誰しもその時を迎えることになるのだが、思わぬタイミングで、思わぬ人物の訃報に、心底衝撃を受けた。名パートナーの山本千恵子先生と共に、10回の全日本チャンピオンのタイトルを始め数々の素晴らしい成績を国内外でおさめて来たグレートチャンピオン。天野先生や庄司先生などその薫陶を受けたダンサーは数知れず、激動のダンス業界を歩まれて来たことと思われる。私のような鉄雄先生の晩年の袖の端に触れただけの人間ですらショックなのだから、JCFの先生方は関係の深かった先生方の衝撃と悲しみは如何程だろうか。。今は只々、ご冥福を祈るばかりである。残された私たちにはダンスの歴史や素晴らしさを次の世代に引き継いでいくことしか出来ないが、身近で偉大な先輩の訃報に触れ、今を精一杯、生き抜いて行きたいと強く思った。

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御礼

謹啓 猛暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。 この度、7月 18 日に開催させて頂きました「2021 Kuwabara Summer Ball」において、多くの会員の方々より熱意が込められた暖かな ご協力を賜り有難うございました。 昨年より続いております新型コロナウイルス感染蔓延により、感染予防に最大限の注意を払いながらのイベン