ダンス界の新しい未来へ
新型コロナウイルス蔓延により、私たちの生活はコロナ前、コロナ後で、その様式を変えざるを得なくなりました。ダンス業界においても、競技会も前期の試合は全て延期、中止になり、後期に今までのような形で、無事に試合が開催されるかどうかも分かりません。パーティーやイベントも無くなり、目標やモチベーションを失ったまま、無為の日々を過されているダンス愛好家も多いのではないかと思います。
正直なところ、現在のダンス界を支えて下さっているファンの皆様がコロナ騒動後に、今までの様にレッスンや競技会の観戦、パーティーへの出演に戻って来られるでしょうか。多分、これまでの様にはいかない事は容易に想像出来ます。コロナ騒動が無くても右肩下がりだったダンス界、このままでは業界全体の規模の縮小はもはや避けられないでしょう。
私達は、身動きの取れないこんな時だからこそ、アフターコロナ、またはコロナウイルスと共存していく事を見据えて、ダンス界の新しいビジョンを模索していかなければならないと思います。
今までと同じ事を同じ様にやっていても、業界全体が上向く事はまず難しいでしょう。一部の人気団体、人気教室、人気選手は生き残れるかも知れません。しかし、ほとんどの関係団体、関係者にとっては厳しい時代が待っている事は簡単に想像出来ます。
私は各団体の試合のスケジュールや、昇降級のルール、興行としてのコンペ開催や審査員規定など、抜本的に見直してみてはどうかと考えています。仮にこのままコロナ騒動が落ち着いて、競技会が再開したところで、資金やマンパワー、選手やファンがそれぞれの団体の競技会に分散している現状を続けても、先は見えているのではないでしょうか、、、
組織自体を一本化出来る事が理想ですが、団体が分裂した当時の方々が各組織のボーディングキャストを握っている現状では、正直難しいと思います。しかし、競技会のみに限定しての統合であれば、今の執行部の先生方が未来を考え決断すれば、大いに実現可能だと思います。
バルカーカップ統一全日本の様に、選手が一堂に会した戦いにはやはり熱があります。高いレベルで切磋琢磨できる環境が無ければ、選手のレベルは残念ながら上がってきません。高いレベルのダンスこそが、私達の業界を盛り上げる一番の力になると思います。何よりもまず、同じ日本人が同じ土俵で戦える機会が増える事はファンや選手にとっての夢だと思います。地方に目を向ければ、何年も同じ顔触れで、もはや一団体では試合が成立していない様なところばかりです。このままで本当にいいのでしょうか。
確かに競技会の統合となると、各団体のクラスをどうするのか、試合の選別やスケジューリング、審査員規定やアマチュア登録問題など、課題は山積みです。でもやれない事はないと思います。ダンスが好きな人が集まって、ダンス界の未来を想い、より良い方向へ進んでいきませんか。
以下、競技会統合に向けての課題と対策案をあげてみました。
・各団体クラス制について
・試合会場の確保、主催団体について
・年間スケジュールおよび、海外コンペとの兼ね合い
・審査員規定について
・アマチュアのクラスについて
・各団体クラス制について
皆さんご存知の通り、各団体それぞれにクラス制があります。そしてそのクラスには大なり小なり団体間の差があり、また地方によっても差があります。Aクラスになる為にクラス戦で熱い戦いを繰り広げているところもありますが、過半数以上の選手がAクラス選手というところも少なくありません。そこで、形骸化したクラス制に固執するのではなく、新しい統一したランキング制度を構築してみては如何でしょうか。例えば統一全日本戦を頂点としたコンペグレードを設定します。
Sクラス 統一全日本選手権
G-1クラス 各団体それぞれの全日本クラスの競技会
G-2クラス 各総局の選手権クラスの競技会
G-3クラス ライジング戦など、下位クラスの競技会
各競技会クラスに於いて、入賞者に対し、ポイントを付与します。コンペのグレードが高ければポイントも高くなります。ポイントの合計によって年間のランキングを決定するイメージです。ランキングポイントの上位から区切りを作り、Aクラス、Bクラスなどのクラス再編成をする事も可能です。ポイントランキング制はテニスやゴルフ、卓球などの個人競技によく採用されるシステムです。
・試合会場の確保、主催団体について
従来、各団体が確保している試合会場を精査して、取捨選択する必要があると思います。基本、全ての試合をオープンコンペにして、誰でも参加出来る様にします。コンペのコンセプトを決め、主催団体を振り分け、スポンサーを募ります。
統一全日本選手権をスポンサードしているバルカー社の様に、各コンペに対して冠スポンサーを募ります。資金が足りない場合は各コンペ毎にクラウドファンドを組んでも良いと思います。コンペの収支に関しては各主催団体が責任を負う事で、コンペ運営にも皆が積極的に関わるようになると思います。
・年間スケジュールおよび、海外コンペとの兼ね合い
例えばアジアオープン、スーパージャパンカップ、ユニバーサル選手権が毎週続く様なスケジュールはもったいないと思います。
G-1クラスの競技会を年間3、4回バランス良く配置し、海外の主要コンペ(UK選手権、ブラックプール、ロンドンインターなど)のスケジュールにバッティングしないようにします。
8月、12月のパーティーシーズンを避けてG-2クラス、G-3クラスのコンペを配置します。ビッグコンペにG-3クラスの試合を併催する事も必要になって来ると思います。アマチュアの競技会についても同様に考えます。
G-1クラスのコンペイメージ
2、3月 日本インターとアジアオープンを統合した試合(国際オープンコンペ)
6月 スーパージャパンカップとユニバーサル選手権を統合し、セグエと統一ショーダンスの統合
9、10月 ギャラクシーや各団体の全日本クラスコンペの統合
・審査員規定について
大きな問題になって来るのが、審査員規定だと思います。各団体が抱えている審査員を満遍なく活用出来る事が望ましいのですが、コンペのクラスによって、線引きは必要になって来ると思います。
統一全日本やG-1クラスの審査員は然るべき実績を残した審査員を採用する事で、試合に対しての権威付けにもなり得ます。海外のコンペ同様、ビッグコンペに関しては審査員の事前開示をすることで宣伝にもなります。
例)
・統一全日本選手権 各団体全日本クラスのファイナリスト及び、統一全日本のセミファイナリスト入賞者
・G-1クラス 各団体全日本クラスのセミファイナリスト入賞者
・G-2クラス 各団体のAクラス審査員規定を元に調整
・アマチュアのクラスについて
アマチュアや、シニアのランキングにおいてもプロのランキングシステムを応用する。シニアのカテゴリーを細分化し、活躍出来る機会を増やす。また、プロアマコンペのランキングも統一したものを作り、分かり易い形にする。
各団体毎に登録をしなければならないアマチュア選手の現状は決して評判はよくありません。アマチュア登録を一元化して、初年度においては登録費を3分割し、翌年から出場組数の割合に応じて分配するなど、愛好家にとって親切なシステムも構築する。
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