「新しいダンスの楽しみ方」


アフターコロナ、ウィズコロナといった言葉が定着してきた今日この頃、私たちの日常生活も否が応でもニューノーマルの様式に順応してきている様に感じる。今後は、人と人との距離感をはじめ、様々な事柄に於いて、感染しない、させない

を意識した行動様式を自然に受け入れていくのだろう。



ダンス業界においても、レッスン、競技会、パーティーやイベントなど、あらゆるシーンに於いて、今までのやり方ではなく、皆が安心出来るシステム作りが早急に必要になってくると思われる。



昨今の業界団体の動きを見るにつけ、各団体、各総局がバラバラにガイドラインを出し、その食い違いに首を傾げざるを得ないのだが、何故このような非常事態に於いて、業界内が積極的に意思疎通をし、情報共有をしないのか不思議でならない。三人よれば文殊の知恵。知恵は3倍、手間ひまは3分の1なのに、、



そして、無観客試合をやるにしても、客数を減らして対応するにしても、そこにお客様、つまりファンの立場を考えることを忘れてはならないと思う。


殊にプロの試合はファンによって支えられており、ファンやスポンサーによってプロの興行が成り立っている以上、これから試合やイベントが再開するにあたっても、ダンスというコンテンツをファンに楽しんでもらえるような努力をしてもらいたいと切に願う。





さてボールルームダンスというものは本来、手と手を握り、触れ合いながら互いのハーモニーを感じとる事が踊りとしての本質であり、醍醐味なのだが、一方この特殊な状況の中で、新しいダンスの楽しみ方もまた、生まれてきたように感じる。


例えばオンラインによるレッスンなどもその代表的な例だろう。一見オンラインでダンスのレッスンなどが可能なのかと、疑うのだが、やってみるとこれは面白い。もちろん、内容や講師のスキルにもよるのだが、様々なレッスンを自宅にいながらお手軽に受講出来る事は、もはや衝撃だと思う。今後、オンラインレッスンが益々普及すれば、日本中、いや世界中どこにいてもレッスンを受ける事が可能であり、レッスンに必要なハードやソフト、インフラが整備されていけば、これからの時代にマッチしたレッスン形式として、その地位を確立していくことは想像に難しくない。



YouTubeなどへの動画配信もその一つである。ダンスを直接観る機会が無い今だからこそ、ダンサー自らが積極的に発信していく必要があるのだろう。ダンス経験者、未経験者問わず、目に飛び込んで来るコンテンツには訴求力があり、その為、ダンスのテレビ放送を錦の御旗のように掲げて頑張っていた時代もあったが、SNSかこれだけ発達した時代に於いて、テレビに代わる情報共有手段としてのYouTubeにダンスチャンネルが増えることは必然であろう。



またオンラインコンペというスタイルも、若者には意外にすんなり受け入れられるのではないかと思う。ネットエントリーが当たり前の時代にマッチしたダンスコンテンツだし、何よりもまず、競い合いたいという原始的欲求を満たしている。





私達ダンサーはプロアマ問わず、踊り人としての価値を自ら創出していく時代を迎えているのかも知れない。コロナ前までは、競技会という絶対的な価値基準のベースがあり、そこでの結果によって、レッスン代の多寡から、仕事のボリュームまで決まっていたと言って過言では無い。「競技会で勝つ=ダンサーとして優れている」 という構図が分かりやすく見えていたからだ。選手は競技会で結果を残す為、日々精進していけば、将来は生活は安泰という意識があったと思う。



しかしながら、時代は価値の多様性を帯びており、競技会の先が見えない今だからこそ、新しい価値観を創出していくチャンスがあるとも考えられる。生き残っていく為にも、常に新しいものに触れ、時代の流れを読む。そんな努力もまた、必要なのかもしれない。








最新記事

すべて表示

「フューチャーズカップ」

一期一会 2020年8月 「フューチャーズカップ」 一向に収まる気配を見せないどころか、第2波ではないかと目されるこのコロナ禍の状況。秋以降の試合やパーティーも続々とキャンセルの悲報が相継ぎ、停滞したままのダンス業界にも、廃業や撤退の影が忍び寄って来ている。私達はこのまま座して死を待つ他ないのだろうか。 私はターンプロした2002年から毎年学連の子達を教えて来た。1年も絶やす事なく毎年冬全へ送り出